先日、ALS協会石川県支部の皆さまにお招きいただき、「ALSと在宅医療」をテーマに講演をさせていただきました。
当日は、会場に約40名、Zoomで約45名、合わせて85名もの皆さまにご参加いただきました。ご参加くださった患者さん、ご家族、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

今回の講演では、在宅医療で実際に経験したエピソードを交えながら、「その人らしく生きることを支える医療」についてお話ししました。
在宅医療というと、「最期を自宅で迎えるための医療」というイメージを持たれることがあります。しかし、私が皆さんにお伝えしたかったのは、それだけではありません。
患者さんがお子さんの入学式に参加したり、ご家族と季節の行事を楽しんだり、笑顔で何気ない日常を過ごしたり…。在宅医療は、病気を抱えながらも、その人らしく人生を歩み続けるための医療です。
家族と笑い、節目を祝い、思い出を重ねていく。そのかけがえのない時間を支えることが、私たちの大切な役割だと考えています。


講演後の質疑応答では、ある患者さんからこんな質問をいただきました。
「先生、私は楽に逝くことはできますか?」
その一言には、不安や覚悟、そして「苦しまないで最期を迎えたい」という切実な願いが込められていました。
私は、「必ずできます」とお答えしました。

もちろん、病気の経過は一人ひとり異なります。しかし、現在の在宅医療や緩和ケアには、苦痛を和らげ、穏やかな時間を過ごしていただくための方法があります。私たちは最後まで患者さんとご家族に寄り添い、「苦しまないように支えること」を使命と考えています。
このやり取りは、私自身にとっても忘れられない時間となりました。
在宅医療は、「生きること」を支え、そして「最期の時間」まで支える医療です。
患者さんやご家族が安心して毎日を過ごし、大切な思い出を積み重ねながら、自分らしい人生を全うできるように。そんな医療を、これからも地域で続けていきたいと思います。
このような貴重な機会をいただきましたALS協会石川県支部の皆さま、ご参加いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。